【作者】David Franck, Laurent Escoffier
【メーカー】Eurogames
【プレイ人数】2
【時間】20分
【概要&FGCでの楽しみ方】
宗教、経済、軍事の三つの分野で代表者を選挙するハッタリ系の対戦ゲームです。
両プレーヤーは、三つの分野を表すシンボルと数字が描かれた木製タイルを30個もっていて、ゲームの始めに、そのうち9個をランダムに選びます。マージャン牌のように立つようになっているので、相手に見えないように絵のある方を自分に向けておきます。
スタートプレーヤーはどの分野で選挙が行われるかを、カードをめくって決め、投票を開始します。ボードには三つの分野の建物が、それぞれのプレーヤーの陣営に描かれています。投票はこれら建物に先ほどの木製タイルを交互に一つずつ、計3つ配置していくことで行われます。敵味方関係なくどの建物に何を置いてもかまいません。
直接、選挙に影響を与えるのは、もちろん、選挙が行われている分野の自分の建物に、そのシンボルが描かれた木製タイルを配置することです。例えば、軍事指導者(将軍)の選挙が行われているなら、自分の側のその建物(城塞)に軍事シンボルの描かれた「5」の木製タイルを置けば、その数字の分だけ投票したことになります。置くときには何を置いたか相手に見えないように置き、互いに3個配置したら公開します。投票した数字の合計が多い方が選挙に勝ったことになります。
これだけだと単に多数決ですから、二点ひねりがあります。
まず、直接選挙に関係のない分野の木製タイルでも、妨害、防御という形で選挙に影響を与えられます。じゃんけんの要領で、この三つの分野は三すくみの関係になっています。せっかく投票しても、相手が自分の建物に苦手とする分野のタイルを送り込んでいれば、その分の数字を合計から引かねばなりません。それに対して、さらにそれを苦手とするタイルで防御することもできます。
もう一つは、今、選挙していない建物にも置けるので、先の選挙を見越してあらかじめ木製タイルを仕込んでおけるということです。こうしたタイルはその分野で選挙があるまで公開されません。
タイルは配置しているときには自分にしか見えないのですから、必然的にこの二つのひねりは、ハッタリの要素を含んでいます。「相手は大きな数字の敵を送り込んできたんだろうな」とか「前に仕込んであったタイルがあるから、合計すると大きそうだ」とか思わせればこっちのものです。
選挙は各分野で3人ずつ、つまり全部で9回行われます。どちらかが3回連続で勝利すればその時点でその人の勝ちです。そうでなければ、勝った選挙の多い方が勝ちです。
一回の選挙に3個のタイルしか置けないので、短い時間で終わるシンプルなゲームですが、私の印象だと明確に序破急の三段階があるように思います。「序」では、まだ仕込んだりする余裕があります。今後を見計らって高数値のタイルを温存するという手も考えられます。「破」では、怒濤のように三連続勝利を狙うか、それとも耐えに耐えて当選総数で勝つことを狙うか、賭けることになるでしょう。「急」では、タイルも限られているので、疾風怒濤作戦に失敗した者はあきらめの境地、耐え得た者は悠々と、ということになりましょう。もちろん両方とも同じような状態で終盤を迎えれば、最後まで熾烈な争いになるでしょう。
ブラフの要素のあるゲームは常にそうですが、これもまた人と人とのゲームです。したがって、この面白さを伝えることは人間関係の面白さを伝えるくらい難しいですし、シンプルなハッタリ・ゲームであればあるほど、その心もとなさを好きになれない人もいるでしょう。しかしポーカーも含め、それもゲームの楽しさです。敵と味方の関係に歴史があればそれだけ読みが深く、楽しくなるゲームですから、何度もやりたくなります。
「カエサルとクレオパトラ」タイプですが、カードでなくマージャン牌のようなタイルなので、プレイ時の仕草もだいぶカードゲームと異なります。実は、それもまたいい雰囲気を醸し出しています。
(日本でなんと呼びならわされているのかよく調べていないのですが、ギリシア語読みをしているサイトを見ましたので、スペルと異なりますが、それにいたします。ちがう表記をされている可能性もありますので、閲覧者の方はどのゲームか写真で判断してください。)
箱
(美化委員)