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「…それからこういうのもあるわ。/『皆から見捨てられた神を、私はお待ちする』/というのもね。これを見るとマダガスカル人というのは強くてすがすがしい人たちね」(曾野綾子『時の止まった赤ん坊』) 碁が宇宙そのものを表しているという考えにちょっとふれたが、これはゲームの起源にも関係がある。もともと宗教的なことがら、あるいは占いや予言を目的としてゲームは創られ、その後時代が下がるにつれて世俗化し、もっぱら遊戯や賭けの対象となったのだという説は、しばしば目にする。ゲームが宇宙もしくは神意を具現しているならば、その進行によって今後の世界のなりゆきを占うことができると信じる気持ちはわからないでもない。しかし、そもそもそのためにゲームが創られたというのはどうだろうか。 ところが、思いの外最近(といっても百年以上も前)、存亡をかけた戦いをゲームの結果で占った国があるらしい。 ゲームボードとして図1のような直線でできたものを用意し、白黒(あるいは二色のコマ)を各22個ずつ直線の交点に配置する。図1が初期配置である。本当はもっと豪華なボードで紹介したいが残念ながら商品版はもっていない。しかし、いたって単純だから画用紙にでもすぐに描ける。それでだって、ゲームの面白さは変わらない。
ここはわかりにくいと思うので、例で説明する。 図2で白の手番だとする。g2からg3へ白コマが移動すると、g4の黒コマに接近することになり、またその直線上にはg4とg5が連続しているのでこの2つの黒コマは捕獲される。白はさらに移動する直線を変えg3からh4に移動し、i5を捕獲できる。さらに移動する直線を変えh4からg4に移ると後退によってi4を捕獲できる。ここで手番は終わりである。 美化委員 |
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