同じクニツィアの二人用のアブストラクトゲームといっても、こちらは、モグラがテーマ。可愛らしいイラストと、これぞドイツゲームの手触り、木製のコンポーネントがプレーヤーをわくわくさせます。
このゲーム、思ったよりもずっと小さな箱に入っていて、到着時に美化委員が驚いていました。箱も、コンポーネントも、絵も、愛らしいゲームですが、ゲーム自体が甘いというわけではまったくありません。このゲームは庭師とモグラの花畑をめぐる攻防の物語なのです。
まず、一人が庭師、一人がモグラになります。モグラはなるべく畑になるべく多くのモグラ塚を残すことが目標です。対して庭師は自分の庭を守るべく、柵を置いてモグラの動きを封じることが目標です。モグラが動けなくなったところで1ラウンドは終了。茶色のモグラの塚の数、ボーナスポイント等を数え、モグラの得点を出します。次のラウンドは庭師がモグラに、モグラが庭師に役割を交代して同じことをします。点数の高いモグラのプレーヤーが勝ち。
モグラは、一回の手番で、縦、横、斜めに一マスづつ移動することができ、移動したあとには、白や茶色のマーカーで示されるところのモグラ塚を残して行きます。白や赤の花畑を通過するとボーナスポイントが入るので、お花畑はとっても魅力。庭師も花壇は力を入れて守ります。このゲームもプレーしているうちに、斜めの移動についてルールに不明な点が出てきました。正しい(と思われる)ルールでやり始めたのは、2ゲームほど試した後でした。
果たしてゲームを面白くしているのは、この「斜めの移動」です。横と縦の動きだけでは簡単に封じ込められてしまうところを救っているのです。柵をよけて斜め斜めに駆け回るところなんかは、ディフェンスをかわしながらドリブルをしているサッカー選手の気分。うーん、これは、なんだか、コツがあるぞ。
ボードの大きさといい、お花畑の位置といい、ゲームは絶妙のバランスで構成されています。分かってみればルールにも無駄がありません。大変に美しいゲームです。モグラ、というとぼけたテーマが良いのか、運の要素がないのは同じながら、Mole HillはOlixに比べれば「楽しさ」があって、それほどギスギスしません。点数も余り差がつかないようです。多くの人に勧められる楽しい二人用ゲームです。楽しくて、思わず勝敗を忘れましたが、私が勝ったのだったっけ?
(ダジャレ委員)
【美化委員謹言】
このゲームの場合はもともとのルールにはっきりしない点がある。移動制限の少ない解釈でやってみたが、制限を課した方が手筋が使えるのではないだろうか。こんなゲームを将棋盤でやった記憶があるが、通過した跡が残ったり、最初の方の移動は得点にならなかったり、さすがに往年のクニツィアである。