二人用アブストラクトゲームのシリーズでは、Gipf project(デュボン(Dvonn)の紹介を読む)が有名です。ご存知のように、Gipfのゲームは、どのゲームも、とびっきりのクールさ。近未来的なデザインの箱に、不思議な触感と形状のコンポーネント、意表をつくゲームシステムにシンプルなルール。今回の対決、インヴェルスはGipf projectのデザイナー、K. Burmのもの。さあ、美化委員のインストを聞くことにしましょう。
私は赤、美化委員は黄色のタイルを取ります。このプラスティック製タイルの一面には、プレーヤーの色が全面に塗られているのですが、裏を返すと、ぽっつ、と同じ色の点が打ってあるだけです。全面に色が塗られた面を上にして、灰色のプラットフォームの上に、6×6の市松模様になるように並べます(写真左)。全部埋まると各々ひとつタイルが残るはず。これでゲーム開始の準備が整いました。いざ決戦です。
手番では、手元のタイルを、点の面を上にして、列の端から押し入れます。すると、逆側の端のタイルが一枚押し出されますから、これは手元に置き、次の手番に使います。タイルを押し入れる場所は基本的に自由ですが、相手の「点の面」のタイルを押し出すような押入れ方はダメ。ルールはこれだけです。交互に手番を繰り返していくうちにだんだんと点が増えていくわけで、自分の色のタイルすべてを点の面にしたプレーヤーの勝ち。途中でどちらのプレーヤーもタイルを押し入れることが出来なくなった場合は、その時点で盤上に多くの点を置いている方が勝ち。シンプルですが、これがなかなか考えるのですよ。
FGCでは四人会も、三人会も、二人会も、ひとつのゲームを繰り返して遊ぶより、次々と新しいゲームをやることが多いのです。すると、新しいゲームをやったときに、「ああ、今までに似たようなものをやったことがあるな」っていう感じを持つことがあります。これはこれで楽しいのですが、今までの経験が全く通用しない、というニュータイプのゲームに巡り合うと、ひゅーっ、やるじゃないか、と快哉を叫びたくなります。インヴェルスは後者のタイプのゲーム。そうなると、二人会というよりも、私と美化委員とゲームデザイナーの三人会、といった趣が強くなりますね。デザイナーとも対決している、という気持ちになるから。今回は、なかなか考え方がわからなくて、悩みました。美化委員もいろいろと戦法を試していたみたい。でも、その悩みが楽しい。遊び終わった今でも、どうやったら勝てるのか、さっぱりわかりません。これは近いうちに改めてプレーする必要があります!
(ダジャレ委員)
【美化委員謹言】
よく調べていないがブルムのゲームとしてはマイナーな扱いではないだろうか。ところが、これは面白い。M. ブータンの『Le Livre des Jeux de pions』にはちゃんと紹介されており(この本はすごくお薦めなのだけど、いずれ「孤独の部屋」でちゃんと紹介します)、独特の戦略を必要とするようなことが書いてあったのでちょっとやってみた。きれいな見た目だけでなく、さすがにゲーム賞にノミネートされただけはあるね。それにしても、孤独に集めているアブストラクトがこうして日の目を見る時代がやってくるとは。